土地の地目と評価単位|図解付き

1.土地の地目と評価単位

地目と地目別評価
地目と地目別評価

(1) 評価単位の原則

相続税の土地評価においては、次の地目の別に応じて評価をします。

  1. 宅地
  2. 山林
  3. 原野
  4. 牧場
  5. 池沼
  6. 鉱泉地
  7. 雑種地

(2) 評価単位の例外

相続税の土地評価では地目別評価を原則としながらも、次の場合は2以上の地目からなる土地を1つの評価単位として評価をします。

  1. 2以上の地目を一体利用している場合の一団の土地
    一体として利用されている一団の土地が2以上の地目からなる場合には、その一団の土地は、そのうちの主たる地目からなるものとして、その一団の土地ごとに評価をします。
  2. 宅地比準方式により評価をする農地・林地・原野・雑種地が隣接する場合
    市街化調整区域以外の都市計画区域で市街地的形態を形成する地域において、宅地比準方式により評価をする市街地農地(生産緑地を除く。)、市街地山林、市街地原野又は宅地と状況が類似する雑種地のいずれか2以上の地目の土地が隣接しており、その形状、地積の大小、位置等からみてこれらを一団として評価することが合理的と認められる場合には、その一団の土地ごとに評価をします。

(3) 地目の判定時期

地目は、課税時期の現況によって判定をします。したがって、現地調査を踏まえ、各種資料と照合しながら判定をします。

・地目の種類と地目判定に利用する資料

  • 現況地目(現地調査により判断できる地目)
    現況地目は現地調査により判断できる地目のため、実証性の高い地目です。ただし、公法上の規制や相続開始時点から地目の変更がある場合もあるため、各種資料と照合の上判定する必要があります。
  • 課税地目(課税明細書、名寄帳、固定資産税評価証明書)
    市役所の職員等が3年に一度、実地調査を行い、その結果を踏まえて判定した地目となります。
    地目判定の基礎資料として利用することができます。
  • 登記簿地目(登記簿・全部事項証明書)
    登記されている地目ですが、現況と一致しないことも多いため、信頼性に劣ります。
  • 農地台帳(資料)
    農地として登録されている地目を確認することができます。転用許可が出ているかも同時に確認します。
  • 森林簿(資料)
    森林簿に登録されていない場合は原野や宅地として評価をする必要がある場合もあるため、現地調査を行う前に確認します。

(4) 地目の判定基準

土地の地目の判定は、不動産登記事務取扱手続準則第68条及び第69条に準じて判定を行います。

(地目)
第68条 次の各号に掲げる地目は,当該各号に定める土地について定めるものとする。この場合には,土地の現況及び利用目的に重点を置き,部分的にわずかな差異の存するときでも,土地全体としての状況を観察して定めるものとする。

  • 田 農耕地で用水を利用して耕作する土地
  • 畑 農耕地で用水を利用しないで耕作する土地
  • 宅地 建物の敷地及びその維持若しくは効用を果すために必要な土地
  • 学校用地 校舎,附属施設の敷地及び運動場
  • 鉄道用地 鉄道の駅舎,附属施設及び路線の敷地
  • 塩田 海水を引き入れて塩を採取する土地
  • 鉱泉地 鉱泉(温泉を含む。)の湧出口及びその維持に必要な土地
  • 池沼 かんがい用水でない水の貯留池
  • 山林 耕作の方法によらないで竹木の生育する土地
  • 牧場 家畜を放牧する土地
  • 原野 耕作の方法によらないで雑草,かん木類の生育する土地
  • 墓地 人の遺体又は遺骨を埋葬する土地
  • 境内地 境内に属する土地であって,宗教法人法第3条第2号及び第3号に掲げる土地(宗教法人の所有に属しないものを含む。)
  • 運河用地 運河法第12条第1項第1号又は第2号に掲げる土地
  • 水道用地 専ら給水の目的で敷設する水道の水源地,貯水池,ろ水場又は水道線路に要する土地
  • 用悪水路 かんがい用又は悪水はいせつ用の水路
  • ため池 耕地かんがい用の用水貯留池
  • 堤 防水のために築造した堤防
  • 井溝 田畝又は村落の間にある通水路
  • 保安林 森林法に基づき農林水産大臣が保安林として指定した土地
  • 公衆用道路 一般交通の用に供する道路(道路法による道路であるかどうかを問わない。)
  • 公園 公衆の遊楽のために供する土地
  • 雑種地 以上のいずれにも該当しない土地

(地目の認定)
第69条 土地の地目は,次に掲げるところによって定めるものとする。

  • 牧草栽培地は,畑とする。
  • 海産物を乾燥する場所の区域内に永久的設備と認められる建物がある場合には,その敷地の区域に属する部分だけを宅地とする。
  • 耕作地の区域内にある農具小屋等の敷地は,その建物が永久的設備と認められるものに限り,宅地とする。
  • 牧畜のために使用する建物の敷地,牧草栽培地及び林地等で牧場地域内にあるものは,すべて牧場とする。
  • 水力発電のための水路又は排水路は,雑種地とする。
  • 遊園地,運動場,ゴルフ場又は飛行場において,建物の利用を主とする建物敷地以外の部分が建物に附随する庭園に過ぎないと認められる場合には,その全部を一団として宅地とする。
  • 遊園地,運動場,ゴルフ場又は飛行場において,一部に建物がある場合でも,建物敷地以外の土地の利用を主とし,建物はその附随的なものに過ぎないと認められるときは,その全部を一団として雑種地とする。ただし,道路,溝,堀その他により建物敷地として判然区分することができる状況にあるものは,これを区分して宅地としても差し支えない。
  • 競馬場内の土地については,事務所,観覧席及びきゅう舎等永久的設備と認められる建物の敷地及びその附属する土地は宅地とし,馬場は雑種地とし,その他の土地は現況に応じてその地目を定める。
  • テニスコート又はプールについては,宅地に接続するものは宅地とし,その他は雑種地とする。
  • ガスタンク敷地又は石油タンク敷地は,宅地とする。
  • 工場又は営業場に接続する物干場又はさらし場は,宅地とする。
  • 火葬場については,その構内に建物の設備があるときは構内全部を宅地とし,建物の設備のないときは雑種地とする。
  • 高圧線の下の土地で他の目的に使用することができない区域は,雑種地とする。
  • 鉄塔敷地又は変電所敷地は,雑種地とする。
  • 坑口又はやぐら敷地は,雑種地とする。
  • 製錬所の煙道敷地は,雑種地とする。
  • 陶器かまどの設けられた土地については,永久的設備と認められる雨覆いがあるときは宅地とし,その設備がないときは雑種地とする。
  • 木場(木ぼり)の区域内の土地は,建物がない限り,雑種地とする。
不動産登記事務取扱手続準則より抜粋|WIKISOURCE

2.宅地と評価単位

宅地となる土地
宅地となる土地

(1) 宅地の定義

宅地とは、一般に建物の敷地の用に供されている土地をいいますが、不動産登記事務取扱手続準則では次の土地として定義されています。

  1. 建物の敷地
  2. ①を維持するために必要な土地
  3. ①の効用を果たすために必要な土地

(2) 宅地の評価単位

宅地の評価単位の判定基準
宅地の評価単位の判定基準

① 原則

宅地は、原則として次の4点を考慮して評価単位を決定します。この決定された宅地の評価単位を「1画地の宅地」といい、この画地を前提として自用地としての価額を計算します。

  1. 地目単位ごと
  2. 相続・遺贈・贈与等により取得した者ごと
  3. 利用の単位ごと
  4. 権利の態様ごと

なお、1画地の宅地は、必ずしも1筆の宅地からなるとは限らず、2筆以上の宅地からなる場合もあり、逆に1筆の宅地が2画地以上の宅地として利用されている場合もあることに注意します。

具体的な評価単位の決定の仕方については次の記事で詳述しています。

② 例外:不合理分割

遺産分割等により不合理な分割が行われた場合には、その分割前の画地を「1画地の宅地」として評価をしますので注意します。

3.農地の地目判定と評価単位

田:用水を利用して耕作する土地
田:用水を利用して耕作する土地
畑:用水を利用しないで耕作する土地
畑:用水を利用しないで耕作する土地

(1) 農地の定義

農地とは、相続税の財産評価における土地の評価区分の1つであり、「田」と「畑」から構成されます。不動産登記事務取扱手続準則ではそれぞれ次の通り定義されています。

  • 田とは、農耕地で用水を利用して耕作する土地をいいます。
  • 畑とは、農耕地で用水を利用しないで耕作する土地をいいます。

(2) 農地の地目判定

① 家庭菜園として利用されている宅地の場合

家庭菜園として利用されている宅地
家庭菜園として利用されている宅地

家庭菜園として利用されている宅地は「宅地」として地目判定を行います。

このように取り扱うのは、宅地内の家庭菜園は農地法による転用許可や権利移転の許可の制約がないためです。

② 耕作放棄された農地の場合

相続税土地評価においては、現に耕作の用に供されている土地に加え、次のような土地も「農地」として地目判定を行います。したがって、耕作放棄された農地であっても、基本的には農地として判定をします。

  • 現在は耕作されていないが、耕作をしようとすればいつでも耕作できるような土地
  • 客観的に見てその現状が耕作の目的に供されるものと認められるような土地

ただし、農地が長期間放置されていたことにより、雑草等が生育し、容易に農地に復元し得ないような状況にある場合には「原野」又は「雑種地」として地目判定を行います。

③ 雑種地として利用されている場合

農地を「ソーラーパネル用地」や「駐車場用地」などの雑種地として利用されている場合には、農地への普及の可能性・難易度を勘案して、農地として評価するか否かを判定します。

農地が勝手にソーラーパネル用地として利用されている例
①ソーラーパネル用地
農地が勝手に駐車場として利用されている例
②駐車場用地

例えば、農地の上に、単にソーラーパネルを設置しているような状況であれば、撤去は容易であり、耕作しようと思えばいつでも耕作できるような状態にあると客観的に見て取れる場合には、農地として地目判定をします。

逆に、農地へ砂利を入れて駐車場として利用しているような場合には、農地への復帰は困難ですから、現況地目の通り雑種地として評価をします。

(3) 農地の評価単位

農地(田・畑)の評価単位は、耕作の単位となっている1区画の農地を評価単位とします。これを「1枚の農地」といいます。

農地の評価単位
農地の評価単位

なお、市街地農地及び市街地周辺農地の具体的な評価単位については、次の記事で詳述しています。

4.山林と評価単位

山林は、1筆(土地課税台帳又は土地補充課税台帳に登録された1筆をいう。以下同じ。)の山林を評価単位とする。

ただし、宅地比準方式で評価する市街地山林は、利用の単位となっている一団の山林を評価単位とする。この場合において、(1)の(注)に定める場合に該当するときは、その(注)を準用する。

5.原野と原野の評価単位

原野は、1筆の原野を評価単位とする。

ただし、宅地比準方式で評価する市街地原野は、利用の単位となっている一団の原野を評価単位とする。この場合において、(1)の(注)に定める場合に該当するときは、その(注)を準用する。

6.牧場及び池沼と評価単位

牧場及び池沼は、原野に準ずる評価単位とする。

7.鉱泉地と評価単位

鉱泉地は、原則として、1筆の鉱泉地を評価単位とする。

8.雑種地と評価単位

雑種地は、利用の単位となっている一団の雑種地(同一の目的に供されている雑種地をいう。)を評価単位とする。

ただし、市街化調整区域以外の都市計画区域で市街地的形態を形成する地域において、宅地比準方式で評価する宅地と状況が類似する雑種地が2以上の評価単位により一団となっており、その形状、地積の大小、位置等からみてこれらを一団として評価することが合理的と認められる場合には、その一団の雑種地ごとに評価する。この場合において、(1)の(注)に定める場合に該当するときは、その(注)を準用する。

なお、いずれの用にも供されていない一団の雑種地については、その全体を「利用の単位となっている一団の雑種地」とすることに留意する。