宅地の評価方式
宅地の評価方式には、路線価方式と倍率方式があり、宅地の評価は、原則として、次に掲げる区分に従い、それぞれ次に掲げる方式によって行います(評基通11)。
- 市街地的形態を形成する地域(路線価地域)にある宅地 → 路線価方式
- (1)以外の地域(倍率地域)にある宅地 → 倍率方式
路線価地域 倍率地域
なお、評価をしようとしている宅地が路線価方式で評価されるのか、あるいは倍率方式で評価されるのかについては、毎年各国税局長が定めて公表している財産評価基準(路線価図・評価倍率表)により確認します。
▷ 財産評価基準 路線価図・評価倍率表|国税庁HP
1.路線価方式
(1) 概要
路線価方式とは、その宅地の面する路線に付された路線価を基とし、奥行価格補正等をした価額によって評価する方式です(評基通13)。
(2) 路線価方式の評価手順
相続税土地評価の実務では、通常次の順に評価を行います。
手順 | 作業内容 | 備考 |
---|---|---|
1 | 情報の収集 | |
2 | 対象宅地の特定 | |
3 | 地積の確定 | |
4 | 権利の態様の確認 | |
5 | 評価対象の特定 | ① 土地の評価区分 ② 宅地の評価単位の判定 |
6 | 正面路線価の判定 | ① 正面路線価の判定 ② 地区の判定 ③ 間口距離の測定 |
7 | 画地調整 | ① 奥行価格補正 ② 側方路線影響加算 ③ 不整形補正 ④ 規模補正(地積規模の大きな宅地) ⑤ 無道路地補正 ⑥ 間口狭小補正 ⑦ がけ地等補正 ⑧ 土砂災害特別警戒区域内宅地補正 ⑨ 複数指定容積率介在補正 ⑩ その他特殊補正 |
8 | 自用地価格の計算 | |
9 | 借地権等の評価 | |
10 | 相続税評価額の決定 |
(3) 路線価図の見方

2.倍率方式
(1) 概要
倍率方式とは、固定資産税評価額に国税局長が一定の地域ごとにその地域の実情に即するように定める倍率を乗じて計算した金額によって評価する方式です(評基通21)。
(2) 評価倍率表の見方
