貸し付けられている農地の評価|図解付き

1.貸農地

永小作権が設定された土地
永小作権が設定された土地

一般に、農地が他人に貸し付けられた場合、その農地は「貸農地」とよばれます。設定される権利には物権である永小作権と債権である賃借小作権があり、現在の日本において設定されている小作権のほとんどが賃借小作権であるといわれています。

なお、相続税土地評価においては、農地の上に設定される権利として、小作権以外に、区分地上権や区分地上権に準ずる地役権があります。

2.永小作権及び永小作権が付された土地の評価

耕作権、永小作権等の目的となっている農地の評価は、次の区分に従い、評価をします。

(1) 耕作権の目的となっている農地の価額は、37((純農地の評価))から40((市街地農地の評価))までの定めにより評価したその農地の価額(以下この節において「自用地としての価額」という。)から、42((耕作権の評価))の定めにより評価した耕作権の価額を控除した金額によって評価する。

(2) 永小作権の目的となっている農地の価額は、その農地の自用地としての価額から、相続税法第23条((地上権及び永小作権の評価))又は地価税法第24条((地上権及び永小作権の評価))の規定により評価した永小作権の価額を控除した金額によって評価する。

(3) 区分地上権の目的となっている農地の価額は、その農地の自用地としての価額から、43-2((区分地上権の評価))の定めにより評価した区分地上権の価額を控除した金額によって評価する。

(4) 区分地上権に準ずる地役権の目的となっている農地の価額は、その農地の自用地としての価額から、43-3((区分地上権に準ずる地役権の評価))の定めにより評価した区分地上権に準ずる地役権の価額を控除した金額によって評価する。

3.永小作権の評価の計算例

次の土地は、普通住宅地区に存する地積300㎡の宅地です。敷地の北側に南向きの斜面(がけ地)があります。

がけ地の評価の基本の計算例
がけ地の評価の基本の計算例
  1. 奥行価格補正後の路線価
    正面路線価(20千円/㎡)× 奥行価格補正率(1.00)= 20千円/㎡
  2. がけ地補正後の路線価
    イ)がけ地割合 75㎡÷300㎡=25%
    ロ)がけ地の方位 南
    ハ)がけ地補正率 0.92
    ニ)①(20千円/㎡)×がけ地補正率(0.92)=18,400円/㎡
  3. 自用地としての評価額
    (18,400円/㎡)×300㎡=5,520千円

4.永小作権が設定された土地の評価の計算例

次の土地は、普通住宅地区に存する地積300㎡の宅地です。敷地の北側に南向きの斜面(がけ地)があります。

がけ地の評価の基本の計算例
がけ地の評価の基本の計算例
  1. 奥行価格補正後の路線価
    正面路線価(20千円/㎡)× 奥行価格補正率(1.00)= 20千円/㎡
  2. がけ地補正後の路線価
    イ)がけ地割合 75㎡÷300㎡=25%
    ロ)がけ地の方位 南
    ハ)がけ地補正率 0.92
    ニ)①(20千円/㎡)×がけ地補正率(0.92)=18,400円/㎡
  3. 自用地としての評価額
    (18,400円/㎡)×300㎡=5,520千円