2.直交しない2路線に接する土地の想定整形地
想定整形地は評価対象地が接する路線ごとに作成しますが、直交しない2路線に接する角地や二方路地は、その接する路線ごとに想定整形地の形状が異なります。
3.屈折路に接する土地の想定整形地
評価対象地が屈折路に接する場合の想定整形地は、通常の土地の場合(1の場合)と「想定整形地の要件」が異なります。また、評価対象地が屈折路に内接するのか、あるいは外接するのかによってもその要件が異なります。


(1) 評価対象地が屈折路に内接する場合の想定整形地

① 想定整形地の要件
評価対象地が屈折路に内接する場合の想定整形地は、次の要件を満たす矩形(くけい)となります。
- 評価対象地全体を囲んでいること
- 敷地が面する路線を想定整形地の1辺とすること
- 上記イ・ロを満たすもののうち、最も面積が小さいものであること
したがって、上の図の土地の想定整形地としては、要件イ・ロを満たす想定整形地が次の2通りであり、このうち要件ハを満たすものが正面路線に対する想定整形地となります。


② 計評価対象地が屈折路に内接する場合の想定整形地の選択
次の土地は評価対象地が屈折路に内接する場合の、上記①の要件を満たす想定整形地に距離・面積を記載した図です。


この場合、北側路線を正面路線として描いた想定整形地は赤い点線で描かれた長方形で、その面積は1,080㎡です。また、北西側路線を正面路線として描いた想定整形地は青い点線で描かれた長方形で、その面積は2,700㎡です。
したがって、1,080㎡<2,700㎡ですから、赤い点線で描かれた長方形(左側の想定整形地)が評価対象地の想定整形地となります。
(2) 評価対象地が屈折路に外接する場合の想定整形地

① 想定整形地の要件
評価対象地が屈折路に外接する場合の想定整形地は、次の要件を満たす矩形(くけい)となります。
- 評価対象地全体を囲でいること
- 「敷地が面する路線と並行となる直線」又は「路線に接する敷地の両端を結ぶ直線」を1辺とする四辺形であること
- 上記イ・ロを満たすもののうち、最も面積が小さいものであること
したがって、上の図の土地の想定整形地としては、要件イ・ロを満たす想定整形地が次の3通りであり、このうち要件ハを満たすものが正面路線に対する想定整形地となります。



② 評価対象地が屈折路に外接する場合の想定整形地の選択
次の土地は評価対象地が屈折路に外接する場合における上記①の要件を満たす想定整形地です。



各想定整形地の内容と地積はそれぞれ次の通りです。
- 路線に接する敷地の両端を結ぶ直線を1辺とする想定整形地(赤の点線で囲まれた長方形)
200㎡ - 北西側路線と平行となる直線を1辺とする想定整形地(青の点線で囲まれた長方形)
210㎡ - 北東側路線と平行となる直線を1辺とする想定整形地(緑の点線で囲まれた長方形)
220㎡
したがって、想定整形地の地積が200㎡となる「路線に接する敷地の両端を結ぶ直線を1辺とする想定整形地」が評価対象地の想定整形地となります。